物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

【シャドバ】葬送ゼウスとか、新環境の雑感など。

 葬送って、葬儀の方法とからしいっすね。日本は元々、あんまり死体そのものに思うところが薄かったようで、有名な戦国武将などもお墓は質素だったりしますよね。まさに「私のお墓の前で泣かないで下さい~♪ そこに私はいません、眠ってなんかいません~♪」ってやつで、肉体を抜けて魂があの世に迎えられるという考えでしたから、墓参りなどもされていなかったようです。アニミズム? とかがそういうのだって習った気がします。

 上古辺りでは「死体が蘇る」と信じられていて、そのため朝敵の死体はバラバラにして別の個所に埋めていたそうです。古事記にもそう書かれている。首塚とか、腕塚とか、そういう身体の部位が書かれた土地の由来は、そういう感じです。

 

 今回はネクロマンサーに「葬送」「リアニメイト」の二つの新能力が追加されました。まずはそれの説明から。

【葬送】

 手札のフォロワー1枚をバニラにした上で場に出して破壊するというコストを支払い、発動する能力。バニラになるので当然ラストワードは発動しませんが、場に出て破壊されたという結果は残るので、「リアニメイト」との相性に優れます。

 安定したドロソを持たないネクロにとって手札消費は抑えたいところなので、しっかりリターンを見込める葬送持ちを採用したいところですね。

 

【リアニメイト

 こちらは「リアニメイト(n)」と表記されれば、その“n”の数字以下の元々のPPを持った、試合中に破壊された自フォロワーを場に出すというものです。

 言ってしまえば完全に「ケリドウェン」です。その蘇生効果が遂にクラス能力として追加されたのは、今後の見込みを考えると中々朗報なのでは? 早速新弾では3種類のリアニメイト保有カードが追加されました。

 

 ネクロマンサーらしい、死体を操るという感じの効果二つです。「葬送」でフォロワーを墓地に送り、「リアニメイト」で蘇生させてね! という運営の意図を感じます。

 その組み合わせ以外にも、「葬送」は「自分のフォロワーが破壊されたとき…」という効果を起動させることもできるので、こちらは特に期待が持てます。「リアニメイト」の方も、展開力の支えとなることが期待され、低コストリアニメイトであれば序盤の盤面取りに貢献もできるのかな? と思ったり。

 

 そんな新能力の追加に伴い注目されたコンボが以下のものとなります。

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 PP2で「葬送」できる「陰鬱な死霊術師」をスターターとして、”「ゼウス」が場に出て破壊された“という伏線を作り、それを「ケリドウェン」で回収するというもの。速ければ5ターン目に「ゼウス」を場に出して殴りに行けるという素敵なものです。リアニメイト? 知らないなあ……。

 正直なところ、「リアニメイト」は「ケリドウェン」の能力に制限を設けたものという印象が強く、少なくともアンリミテッドルール下では「ケリドウェン」に軍配が上がるかなと思います。

 ではこの葬送ゼウスの利点、欠点とを簡単にまとめてみましょう。

【利点】

:最短5ターン目に5/10の疾走&守護&必殺持ちを出すことが出来る。

:「ゼウス」が場持ちしやすい上に守護持ちなため、「ケリドウェン」の生存率が向上し、「ケリドウェン」の打点>耐久というステータスを活かしやすい。

:コンボ起動が5PPと安いので、他のカードをプレイしながらのコンボ起動が可能。

【欠点】

:コンボパーツが3枚と多く、最短で決めようと思うと4ターン目までに「陰鬱な死霊術死」と「ゼウス」が、5ターン目までに「ケリドウェン」を握っておく必要があり、先行前提とすると手札を総入れ替えしたとしても11枚の中の3枚を占めなくてはなりません。

:コンボが決まったところで、「ゼウス」にはフィニッシャーというほどのスペックはありません。劣勢をひっくり返す力が弱く、最短でコンボが完成しなかった場合、仮にコンボを決めたとしてもあっさり返されることも多々。

:「ケリドウェン」を使用する上での問題点となりますが、EP消費は慎重にしないといけません。その為、盤面を取り返すことにEPを消費すると、肝心のコンボが不成立となり勝ち筋を潰しかねません。

 

 利点欠点は上記の通りなのですが、利点に関してはいずれもコンボが決まる前提のもの。欠点で挙げたようにコンボの成功率は芳しくなく、利点を獲得するには欠点を解消しないといけないという問題点を抱えています。

 葬送ゼウスだなんて言われていますが、相手次第では「デュエリスト・モルディカイ」を出したほうが強い場合も。特にドラゴン、ネクロマンサーのような優秀な除去札を備えているデッキ相手にはモルディカイの方が優位に立ち回れるかなと。

 

 デッキ構築の基本としては、最短で葬送ゼウスを決めるために、マリガンやドロソなどの投入は他のデッキよりも多く必要とされるでしょう。また、「ゼウス」の場持ちがしやすいようにあらかじめ盤面の有利をとれていると良いので、軽量フォロワー、軽量除去札を中心に組むことになるのかなと思います。

 「アンリミテッド」ルールでしか使えないことを踏まえると、余りは「死の祝福」のような汎用カードで固めたいところです。

 基本的に、コントロールっぽい構築になるのかなと。アグロだと手札とEPが枯渇しますので。

 

 以下、新環境についての雑感など。

 新たなクラス「ネメシス」と、新対戦ルール「ローテーション」「アンリミテッド」を加えて益々盛り上がりを見せ……見せ……あるでしょうか? 個人的には面白いと思う反面、制限を設けるとユーザーの反感を買うのも事実。遊戯王の現状を踏まえると、この先シャドバが明るくなるかどうかは怪しいところだとは思いますが。

 ここでは「ローテーション」について書こうかと思いますが、いまのところ「ドラゴン」がトップなのかなと。次いで「ウィッチ」でしょうか。逆に「リノセウス」一本で食ってきた「エルフ」は没落したと聞きます。「ビューティ・ビースト」軸はまだいけそうなものですが。

 スタンダード、エヴォルヴ環境ではどん底にいた「ドラゴン」にしてみれば、その二つが禁止されるローテルールでは、周りが影響を受けている中ほぼ完全に近い形でローテに参加してきました。「黒歴史を知らない大学でデビューしたオタク」みたいな、そんな印象。

 「ウィッチ」は「時空の超越」が奪われたとはいえ、「時空の魔女ドロシー」を中心としたアグロウィッチが健在で、「ドラゴン」との相性に優れることからも人気のようです。

 新クラスの「ネメシス」は数で制圧してくるコントロールタイプなのですが、試合展開が遅く、早さと質で圧倒するランプドラゴンや、中堅を大量展開するアグロウィッチには一歩引いてしまう感じです。あと「ヘヴンリー・イージス」をやり過ごす手段を持たないため、「ビショップ」にも弱いのかなと主観ながら思っています。「ロイヤル」「ネクロ」のような数で勝負を仕掛けるデッキ相手には基本的には有利なのですが……アグロウィッチのコスト踏み倒しは規格外のようですね。

 

 ネクロの立ち位置については、これまで頼りにしてきたカードが軒並みスタンダード産だったこともあり、かなり痛手を負いました。「死の祝福」、「ケルベロス」、「骸の王」、「デュエリスト・モルディカイ」、「スカル・ビースト」、「腐の嵐」などでしょうか。エボルヴ産だと「スパルトイ・ソルジャー」、「ボーンキマイラ」、マスコットとして「蝿の王」あたりでしょうか。

 モルディカイが使用できなくなった影響で、間接的に「ネフティス」のリソースが減少してしまい、実用レベルから外れました。モルディカイありきの強さだったと思っています。

 一方で「魔将軍・ヘクター」はまだ使用可能であり、祝福は使えないものの「ゾンビ・パーティ」はまだ使えるので、展開→ヘクターという流れは健在の模様。ナーフされてもまだまだ主戦力なあたり、本当に強いですね……! 今期もヘクターネクロがネクロの中心になりそうです。

 

 「冥守の長・アイシャ」もフィニッシャーとなり得ますが、10ターン目以降にならないと真価を発揮しづらいため、それまでの展開としてやはりヘクターネクロが上に来るのかなと。課題としては、ヘクターもアイシャも重いネクロマンスを要求するため、その兼ね合いをどうするか……というあたりでしょうか。墓地肥やし要員が減ってしまうという意味でも、ローテルールはネクロにとってやはり痛手だと言えるでしょう。

 

 最近はチームにも所属させて頂き、新環境も来たことでモチベーションが高めなので、これを維持したままネクロ考察に励みたいと思います。