物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

読んだ本の紹介とか その7

 いまの仕事は拘束時間こそ長いですが、本を読んだりする時間は意外と多いので、読書読書! ということで読んだ本の紹介とか、していこうと思います。

f:id:byouketu:20180526125809j:plain

 『ひきこもりの弟だった』(著者:葦舟ナツ)

 購入自体は一年以上前だったのですが、ずっと積み本として本棚で眠っていました。読書の時間はあるので、一つ硬派な作品でも読んでみようと手に取った次第です。

 大まかな設定は題名のまま、引き籠りの兄を持つ主人公のお話です。引き籠りの兄と、それを過剰に保護する母親に対して諦観し”家族愛“が歪んでしまった主人公と、同じく歪んだ家族愛を持った「千草」とが結婚するところから始まります。

 「千草」の背景については物語の中で進行していくため、ここでは割愛。

 

 裏表紙でも「愛の物語」的なことが書かれていますが、基本的には家族愛について書かれています。もっとも、その家族愛の中身が“夫婦愛”なのか“兄弟愛”なのか、“親子愛”なのか、“自己愛”なのか、または全てなのか……。そこは個人の解釈に依存すると思いますが、自分は自己愛について書かれていると読みました。

 帯には「これを読んで何も感じなかったら幸せな人生」的なことが書かれていましたが、確かにその通りなのかもしれません。まあ、特別ヘビーな作品というわけでもないので、結構月並みな悩みがあれば読めるとは思いますが。

 実生活の中で疲労して、「幸せな自分が全く想像できない」という状態の人には是非お勧めしたいと思います。上記の通り家族愛……こと自己愛から転じて“他人を愛する自分を愛せるか?”、“自分を愛する他人を愛せるか?”みたいなことが書かれているので、一度自身の幸せについて考えるいいキッカケになるのではないでしょうか。

 

 いま、こうして頭の中を整理していると、この作品の登場人物って基本的に誰も幸せじゃないんですよね。人と人における幸せのカタチのすれ違いっていうのもあるかもしれません。

 

 ラストの展開については、ちょっとネタバレになると思いますが、自分でも忘れてしまいそうなのでメモ程度に自己解釈を書こうと思います。

 「こんなにも愛おしい」「千草」が愛してくれた自分を愛せるようになった。ここで自己愛と自己肯定を満たす課題であった“他人を愛する自分を愛せる”ようになり、それを達成したことで“自分を愛する他人を愛せる”ようになった結果のラストなのかなと思います。

 

 最近はラノベばかりを読んでいたため、久しぶりに風景描写に行数を割く文章を読んだ気がします。ただ、純文学に連なる小説かと言われると首をかしげたいところ。文学が学問足る要員は人の心理描写に見出す芸術的価値……だったと思うのですが、『ひきこもりの弟だった』はその観点で言えば心理描写がやや浅く、受動的に書かれている点が目立ちます。独白というか……一人で思考するという機会が少ないです。

――と偉そうに語ったものの、歪んでしまった愛が、同じ歪んだ愛によって解きほぐされていく過程は(上記の通り心理描写の不足から段飛ばし気味だったとは思うものの)綺麗だと思いましたし、最後の参拝~旅館(?)の部分は特にこの作品の美しさが詰まっていると感じます。

 

 ライトな気持ちで読むには題材、文章ともにヘビーですが、現実に疲れて自分を見つめたい際には一度手に取られてはいかがでしょうか?

 

 いまは『六人の赤ずきんは今夜食べられる』というラノベを購入し、それを読もうと思っています。

f:id:byouketu:20180526135745j:plain

 題名と「この中に裏切り者がいる。」っていう帯文を見て購入したのですが、食べるってちゃんとカニバリズムの方ですよね?

 まだ見開きについているイラストを見ただけなのですが、能力系なんですね。こういう人狼ゲームのパターンは、人が頭と疑心だけで勝負する系が主流だと思っていましたが。

f:id:byouketu:20180526140513j:plain

 仲間外れを探せ! ってだけなら、明らかに「紅茶ずきん」が浮いているんですよね。むしろ浮き過ぎて逆にシロだわ! ってレベルです。実際ミスリードでしょうね。植物を煎じて飲む……という紅茶の過程から、或いは狼の協力者という線はあるかもしれませんが。人狼で言えば狂信者(?)

 能力的な相関図でいえば「リンゴずきん」だけ水気(湿度や温度)に無関係な、しかも食事系の秘薬。仲間外れと食事というワードから狼かも? と思いますが、これもちょっとわかりやす過ぎる気も……。あと、秘薬って時点で他人への譲渡または窃盗が可能ではありますが、「リンゴずきん」はその中でも特に他人への譲渡が容易な点から、物語のキーパーソンにはなりそうですね。

 「紅茶ずきん」と「ザクロずきん」は能力が類似しているので、先程の「紅茶ずきん」が協力者という推測に基くなら「ザクロずきん」が人狼の可能性……? 「透明化」と「粉々にする」って、どちらも見えなくする能力ですからね。

 「ツバキずきん」の能力がいまいち想像し辛いのですが、刃物になったり鎧になったりって感じでしょうか? 凶器を任意に回収できる点を考慮すると、人狼とは別に、恐慌状態に陥って攻撃してくる的な悶着がありそうですね。

 「そして誰もいなくなった」的な、箱庭での殺戮劇でお馴染み“死んだと思っていたヤツが実は生きていた”を一番できそうなのは「バラずきん」ですね。能力もいい具合に地味なので、案外人狼だったり……?

 「チューリップずきん」はシロでしょう。能力が目立ちすぎますし、かつ「ツバキずきん」へ有利なことを考えると4番目くらいに死にそう。3番目はツバキだ!(投げ槍)

 

 ……とか、読む前から犯人推理をしてみたくなる悪癖が。「ザクロずきん」と「バラずきん」にヤマを張って読んでみようと思います。7人目の登場人物とか絶対あるやつだこれ(ゲロカス)

 登場人物が“完璧な検死”を実践してくれれば「バラずきん」がクロって線は無くなるんですけどね~。