物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

読んだ本の紹介とか その9

 丸一日が休みだと時間がたくさんありますね。日頃、働き通しなだけにやや持て余し気味……。これから先の暫くは外に出るのもおっくうな暑さに見舞われるため、尚更ですね。

 新たに一冊読みましたので、更新しようと思います。

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 『Zの時間』です。

 最初、『すべてはFになる』や『Nのために』の仲間か!? とか思ってしまいました(笑) それらとは無関係なライトノベル。作者曰く「ゾンビものが書きたい」だそうです。

 帯の売り文句がハードルを引き上げてくれますね。

 

 大雑把な作品の説明を。

 ゾンビ好きな高校生「樹堂 乙羽」(じゅどう おとわ)がニュースを見ると、アメリカのCDCアメリカ疾病予防管理センター)で異常が発生したとの報道が……。

 作中時間は進み、VRFPSに勤しむ引き籠り「出庭 博明」(でわ ひろあき)が、近頃腐敗した食事を配膳してくる家族に文句を言おうと部屋を出ると、既に世界はゾンビ塗れになっていました。

――という導入(大幅にカット)で作品が始まります。ゾンビものですが、流石に“ゾンビを見て一驚一憂するなんてベタなことはせず、むしろ“ゾンビ映画のお約束”を踏まえてメタ的にゾンビを対処していきます。“お約束”がどんなものなのかは明記されていませんが、『ゾンビランド』に登場する「32のルール」が用いられているのではないかと思います。

 

 自分はまた勘違いをしていまして、これはシリーズ刊行ではなく読みきりだと思っていて「残りページで話が終わるのか!?」とか思ったのですが、シリーズものでした(笑)

 一巻は丸々導入でした。これを購入した際に帯がついていたのですが、そこに書かれていることを物凄く丁寧に説明と実践したものが、そのまま一巻の内容。まあ、連載もののゾンビ作品は主人公たちが準備を整えるまでがプロローグのようなものなので、二巻以降に物語が展開されるのでしょうね。

 現に、今後の展開の鍵となってきそうな条件、登場キャラが散見されました。

 

 ここからは考察。前回ので反省したので、今回は手短に。

 まず『Zの時間』の「Z」ってなんだよ? ということについて、普通に考えればゾンビだと思います。ですが、他にも色々ありそうでした。

 作中登場する「古茶花 篠」(こさはな しの)というキャラクターのHN「ジーノ」は「Gino」という表記を敢えて「Zino」にしているそうで、わざわざZという表記をしていることからきっと題名と関係があるんだろうな~と。また、「樹堂乙羽」の「乙」という漢字、形が思いっきりZなので、乙=Zと読んで題名との関連を見出すことが出来そうです。

 ただ、現状では関連性を予想することこそ出来れど、その内容については全く分からないので今後の展開に期待です。

 わざわざFPS要素を入れてきて、かつそれが1巻の節々で出てきた点。「レイヴン」の謎の発言(反転)……などから、作品世界がゲームの世界である可能性(反転)あるんですよね。実際、乙羽が「今回は」等と前回もしくは次回(反転)を臭わせる発言をしているので(ただのゾンビオタクのキャラ付かもしれませんが)。主人公が二日程度状況の認識で出遅れ、かつすぐ下の階で惨劇が行われたにも関わらず無事だった点にも合点がいきます。ただ、そういう展開を用意して無事に迎えた際に滑稽にならない作品展開って物凄く難しいと思います。一体どうなっていくのでしょう……?

 

 一巻は上記の伏線らしくものを除き、人物や展開だけを見るのであれば、これという特徴のない在り来たりなゾンビ作品だと思います。ただ、シリーズものということで二巻目から勝負してくるのだと思います。

 ライトノベルは売れ行きが悪いと当たり前のように打ち切られるので、遅くても三巻までにはこの作品でやりたかった展開が始まる……はず。