物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

読んだ本の紹介とか その17

 虚無を取得して早くも二週間以上が経過しました。最初の一週間は物凄くゆっくりと過ぎていった気がするのですが、次の一週間はあっという間でした。

 時間が生まれればブログの更新頻度を上げられるかと思いましたが、PCに向き合う時間が意外と少なく、結果相変わらずの放置ぶりですね。読み終えた本、積んでいる本がまだありますので、更新を心がけたいと思います。

 

 今回はKAエスマ文庫――要するに京都アニメーション原作、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の上下巻、あと外伝を読みました。

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ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(著:暁 佳奈)

 

 題名にもなっている「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」というのは人名であり、表紙を飾る金髪碧眼の人物を指します。この人物は題名に起用されるように主人公と呼んで差し支えないキャラクターなのですが、この作品は俯瞰、或いは他人から見たヴァイオレットが描かれていました。なので主人公でありながら心情が明記されないキャラクターです。それがヴァイオレットを一層神秘的に映していて、良い演出だなと思いました。

 ストーリーを大雑把に説明すると、代筆屋を生業とするヴァイオレットが、人の気持ちに触れていくことで“愛とは何か”を理解していく物語ですね。

 

 ずっとヴァイオレットを「人間」として扱おうとしていたギルベルトが、上巻ラストで「愛している」が伝わらなかったことを理解して、自らがどれほどヴァイオレットに向き合っていなかったのかを思い知るシーン、前の展開も含めて本当大好きでした。お涙頂戴と言われればそうかもしれませんが、あれくらい臭い展開の方が自分は好きです。そのあと「愛しているとは、守りたいと思うことだ」って続くのも良いですね。ヴァイオレットがギルベルトに対して今まさにそれを実行しているのですから。なのに、ヴァイオレットは愛を知らないままギルベルトを喪うんですよ。

 下巻でカトレアに指摘されるようにヴァイオレットは愛という呼称を知らないだけで、愛という感情そのものは既に持っているんです。ただ、ギルベルトとの距離感を「兵器と使い手」として捉え、それしか知らなかったため、感情を持つことは「兵器」から「人間」になることであり、それはギルベルトとの完全な離別を意味する、ゆえに自らの感情を否定し続けている状態でした。

 下巻、外伝でも結局ヴァイオレットは「愛している」を理解する途中で終わります。3月24日発売の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン EVER AFTER」で恐らくは「愛している」を理解して、ギルベルトへ伝えるのではないでしょうか。

 

 『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は二人の男女がめちゃくちゃ遠回りして「愛している」を伝える物語……になるはず。エバーアフターの発売が待ち遠しいですね。

 また、4月には劇場版が書き下ろしシナリオで上映されます。京アニへの応援も兼ねて、観に行こうと思います。前売り券は買いました!