物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

【デュエマ】ロマノフサインを考える

 ピカブイ(正式名称を知らない)が発売されましたね。ずっと数字と乱数の世界で呻きながらポケモンをしていた身としては、諸要素がかなりライトユーザーを想定した仕様に変更されているなと感じました。そりゃ、ポケモンGOとの連動を考えるとそうなるのかもしれませんけど。

 以前はポケモンの鳴き声なんて聞きもしませんでしたし、挙句ポケモンの姿すらはっきりと覚えていない(種族値と特性、主要型さえ知っていれば十分だった)程度にはポケモンの知識がない自分ですので、これはもうライトユーザーでしょ! と購入。

 開始11時間くらいは呑気にエンジョイしていたのですが、持病の発作に見舞われてしまい、気が付けば21時間の間ポケモンの捕獲厳選をしていました。もう本当に病気ですねこれ……。

 

 とはいえピカブイへの熱も大して燃えず、結局ロマノフサインを考える時間の方が遥かに長い一週間でした。ということで、色々考えているロマノフサインの骨組を書き綴ろうかなと思います。途中で飽きて投げる可能性有りですが(前科:カレーとウンコの命題)

 

【ロマノフサインとは】

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「邪眼皇ロマノフⅠ世」または「邪眼教皇ロマノフⅡ世」を用いて「〇〇サイン」とついたリアニメイト呪文を唱えることで、展開と対応とを同時に熟すコントロールデッキの総称です。

 初代ロマノフサインは環境トップメタに君臨するくらい、当時としては頭一つ抜けたカードパワーを発揮していましたが、主要パーツの度重なる殿堂入りと環境の変化によって次第に弱体化、やがてデッキタイプとしての成立も困難となり崩壊しました。

――なのですが、数年前に登場した「煉獄と魔弾の印」を皮切りにリアニメイト呪文が増加、環境デッキとは言い難いものの、デッキタイプとしての再建を果たすことが出来ました。

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 とはいえ最盛期の頃のように「ダンディ・ナスオ」で低コストで好きなカードを墓地に落とす……ということは現実的ではなくなりましたし、同様に「インフェルノ・サイン」でカウンターとして「不滅の精霊パーフェクト・ギャラクシー」を出すということも現実的ではなくなりました。(そもそもパーギャラ自体最早過去の栄光なのですが)

 ですので、一概にロマノフサインと言っても過去のコンセプトとは異なる、新しいアプローチが必要となるのではないでしょうか。

 

【使う色を考える】

 何においてもロマノフを召喚するための「闇文明」は必要ですね。そして闇単色……というのはロマノフサインの利点である“対応幅の広さ”を殺してしまうことになりかねないので、現状に置いてはあまり勧められません。今後登場するカード次第では有りうるかもしれませんが……。

<+自然>

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 自然文明と言えば「カラフル」系列による大量墓地肥やし。マナゾーンに置いてあるカードまで墓地に落とせるので、墓地肥やしの質としては最上ではないでしょうか。「サイン」呪文とその蘇生対象とを同時に墓地に落とせると爆アドですね。

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 任意のカードを墓地に落とすことが出来る「ダンディ・ナスオ」は自然文明を採用する上での最大の意義かもしれません。もっとも、殿堂入りなので4積できないのが残念ですが……。

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 墓地を肥やしつつマナブーストできる「ダーク・ライフ」は、2ターン目の動きを持て余しがちなロマノフサインにおいて貴重なカードですが、キーパーツさえ落ちればいいので、墓地に落とすという効果がおまけになりがちでした。それでも、自然採用の意義の一つだと思うので4積しても良いと思いますが。

 

 

 飽きたというか、時間が時間なので一旦投稿して後ほどまた加筆していきます(26日午前0時57分)

 

【シャドバ】唯我の絶傑マゼルベインとかいう

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 めっちゃ面白いカード。

 デッキ構築に一工夫必要なものの、自ターン終了時に味方フォロワーが1枚だけだと色々おまけがついてくるという変わり種。ダメージ量は2と控え目ですが、中型フォロワーとしてはコスト相応なのかなと。まあ、専用構築が必要ですし、サーチし辛い能力値をしていることから、重複可くらいはあっても良さそうでしたが。

 

 ニュートラルカードであるためどのデッキにも投入可能ですが、PPブーストと併用して2→4→6の流れを作ることが出来るドラゴンと組むのが一番なのかなと思います。単体でのカードパワーが高いため、ハイランダー構築(40枚40種)や単騎立ちにおいて無理が生じ辛いという点でも相性に優れますね。

 

 ローテーションルールで構築してみました。

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 一覧にしてみると種類の多さが目に付きますね……!

 ローテーションだと「竜の伝令」が使えないため、本当にドローソースによって素引きするくらいしかマゼルベインを手札に加える方法がありません。ハイランダーの使用上同じ種類は一枚しか使えないため、結果的にややドロソ不足な構築になりました。「アドメラルク」を採用してドロソを増やしても良かったのですが、まあ、いいだろうと。

 

 マゼルベインと相性の良いカードについてですが、下記の要素を持つものだと思います。

<マゼルベインをドローしやすくするもの>

 デッキの核なので出来るだけ6PP貯まったらすぐに出したいため。

<軽量フォロワー+重量エンハンス>

 序盤を固める軽量フォロワーは必須ですが、マゼルベイン後は軽量フォロワーは余ります(1体しか場におけないため)。なので、エンハンスで有用な効果を持つものであればなお良いですね。

<場持ちしやすいフォロワー>

 マゼルベインの効果を起動させる上でフォロワーは必須。立て続けに除去されると息切れする恐れもあるため、ある程度の場持ちの良さは必要です。「スターフェニックス」のようなリサイクル持ちや、「蒼の少女・ルリア」のような耐性持ちが望ましいでしょう。

<圧倒的カードパワーを持つフォロワー>

 いわばフィニッシャー。このデッキでは「プロト・バハムート」や「大いなる調停者・ゾーイ」がそれに該当します。1枚だけで戦況を握れるカードは、マゼルベインの効果によって拍車が掛かります。

<ファンファーレでスペルorアミュレットを持ってくるフォロワー>

 マゼルベインの効果と併せて対応の幅がぐっと広まります。例えば「炎竜の使役者」でも、n/4のフォロワーを除去するかn/2を2体除去するか――そして5/5がこちらの場に残るというパワーカードへ変貌。

 

 使ってみた感想としては、安定性に欠け、加えて爆発力に優れるわけでもないため環境に入ることは難しいと思いました。ですがその制圧力には唸るものがあり、アグロがやや苦手ではあるものの広いデッキタイプを相手取ることが可能でした。

 なにより、多くのカードを使える(同じ試合展開になり難い)点、デッキ構築の自由性が高い点、コントロールに特化している点――など、自分が好むプレイスタイルと合致しているため、使っていて非常に楽しいデッキです。

 

 本来はネクロマンサーということで、マゼルベイン入りのネクロも考えてみようと思います。

読んだ本の紹介とか その11

 巷ではポケモンカード(以下:ポケカ)が流行っているとかなんとか。遊戯王からデュエマに流れた層が今度はポケカに流れているんだそうです。低価格、民度良しのゲームということで流入が起こりましたが、ユーザーの急増に伴う需要に対して供給が追い付かず現在は転売祭り。年中に再販が掛かるとはいえ、それまでは転売ヤーの天下でしょうね。

 一方でポケモンのゲームの方はイマイチ盛り上がりを見せません。もっとも、自分の情報網は基本的に同年代によるものであり、それらが就活&就職する時期であったためかもしれませんが。

 まあ、ポケモン実況を支えていた層がごっそり抜けたというのもあるかもしれませんが。なんだかんだでニコ動で王国杯だとかをしていた頃が一番アクティブユーザーが多くて、界隈が盛り上がっていたと思いますよ。

 次発売のイーブイピカチュウでどれくらい挽回できるかですね。自分はイーブイ版を予約しました。

 

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 今回は「アカシックリコード」を読みました。

 2017年6月発売で、購入時には知りませんでしたがどうやらソシャゲとして存在していたようですね。2017年8月にサービス終了しているので、このノベルは最後の一矢となったわけですが(笑)

 

 作品世界をざっくり説明すると、「悪魔の書架」という小説投稿サイトに投稿した作品が「シミ」と呼ばれる“書物の記述を改変&消去する”存在に侵されようとしているので、その作品の作者たちが自作のキャラクターを召喚して戦う、という物語です。どうやら「シミ」を放置していると、改変&消去された部分がそのまま現実に反映されてしまうようですね。例えば「1+1=2」という算数の教科書が「シミ」に侵されて「1+1=20」と改変されれば、現実世界においてもその法則が適用されてしまうというわけです。

 

 でも、「シミ」の活動範囲が小説投稿サイトってちょっと地味かなとは思いましたが(笑) 一応、全ての書物を内蔵する「アカシックレコード」という空間あるらしく、小説投稿サイトはその一部らしいのですが。

 創作したキャラクターを召喚して戦うとか、わかりやすい敵の存在だとか、読みながら「まるでゲームみたいな設定だな」と思っていましたが、ソシャゲ典拠だと知って納得です。

 

 ソシャゲのコミカライズらしくストーリーは勧善懲悪に基く単純なもので、分かり易かった分、やや直球過ぎるのではないかとも思いました。

 世界観の把握に重きを置いているので、他の部分は駆け足感が否めません。特に勿体無いと思ったのが、主人公とメインヒロインの距離感についてです。幼馴染で片思い同士――要は両想いなのですが、二人の会話が序盤と終盤にしか登場せず、その割に主人公からメインヒロインに対する熱い想いが描写されているので、登場人物に置いてけぼりを喰らった印象でした。

その辺は「そういう前提」として読めば呑み込めないでもないのですが(笑) ソシャゲの方をしていれば感情移入もしやすかったかもしれないです。いまとなってはデータの海の底でしょうけれど。

 

 ゲームの広告塔として書かれているだけあって、世界観や設定にまつわる描写が多く、ゲームのノベライズとして見れば楽しめました。「自分が考えたキャラクターを呼び出す」という夢のある話は、いまとなってもなおロマンが刺激されます(笑)

 

 読みきりという条件下では風呂敷を拡げ過ぎずに無難な終わり方をしていて、今後恐らく続編が書かれないことを踏まえれば、十分な終わりだったのではないでしょうか。自分はソシャゲのコミカライズってあんまり読まないので評価が妥当であるかは分かりませんが。

 

 

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 FGOの方は全てのクエストを完了し、高難度もしっかり攻略。

 バーサーカー相手だと打点が確保しやすいので楽ですね。今ではアビゲイルというフォーリナーもいる(XXは70連でも来ませんでした^p^)ので強気に出られます。

 

 クトゥルフ神話TRPGをしようと思ってルルブとサプリを購入したのですが、本棚の奥に眠ることしばらく。果たしてプレイできる日は来るのやら(笑)

 クトゥルフ神話の方は『狂気の山脈にて』というものを一度読んでみたいですね。他にも色々と原作があるようですが、FGOカルデアが配置されていた場所がこの“狂気山脈”だと思うので。

読んだ本の紹介とか その10

 人が20連勤という闇を越え、休日を抱くとき、限りない此方に、新たな仕事が現れる! 限界を超え、その手に掴め! 過労王ビヨンド・ザ・ワーク!

 

 しんどい(消滅)

 まあ、違法な方のブラック企業は100連勤とかあるそうですけれど。生憎とガチなブラック企業は法律を味方につけているから厄介なのです。

 

 仕事の合間(?)を縫い、ラノベを読みましたのでいつも通り紹介していきたいと思います。

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 アニメ放送も無事に完走し、終了直後に原作者が結婚――式典には原作・アニメ関係者も招待されて……と順風満帆な状態で発売された8巻です。

 まずざっくりとした感想ですが、今回は番外編でしたね。話の主役となるのが表紙の二人――月夜見坂 繚(つきよみざか りょう)と供御飯 万智(くぐい まち)で、主人公(八一)の取り巻きには属さないキャラです。まあ、取り巻きではないと言っても、ある程度の因縁があるためアドバイザー的立場として出てきたりするわけですが。

 毎巻末で感想戦コーナーを担当している二人ということもあり、本編とは隔絶された地点にいるキャラという印象が強いです。メタキャラ……というほどでもないはずなんですけどね。

 

 内容自体は上記両名による対局……と思っていたのですが、“月刊誌等への描き下ろし原稿を回想として挟む”という手法により、半分くらいは短編集となっています。描き下ろしの読みきり原稿を本編に回想としてぶっ込む著者は初めて見たので、斬新な手法だなあと慄いています(短編集として別に出版する著者が多い)

 再録してくれるのは嬉しいのですけれど、前後に関連がないため本編のテンポが悪くなってしまう感は否めませんでした。読みきりの内容が内容だったこともあり、勝負の空気が茶化されたというか……まあ、作風としてはシリアスは不本意でしょうからこれで良いのかもしれませんね。

 短編の方の内容については、ちょっと自分には理解できない分野だったので感想に困るところでした。そういえば、『りゅうおうのおしごと!』はロリコン向けの作品だったなあと。語源に準拠するのであれば、ロリータコンプレックスというよりはアリスコンプレックスなんですけど。

 

 半分が短編ということもあり、月夜見坂と供御飯の対局はあっさりと終わりました。第一、第二局目はカットされていますしね。個人的には、月夜見坂が供御飯を“穴熊で”破ったという第二局目が気になるところでしたが……。

 第三局目は桜花山城戦“らしい”事故と結末でした。というか、仮にあの状況になったとして、メインヒロイン?(雛鶴あい)は一切問題ないんですよね。やはり主人公一門の“天才”とその他の“凡才”は作品を見る上で重要な対比なのでしょうね。

 

 メインの桜花山城戦そのものは、感想戦コーナーの二人……特に供御飯に焦点を当て、自身の殻を破るか否かのストーリーもある良い対局だったと思いますが、いかんせん空気感が違い過ぎる短編が挟まったせいで、両者共の印象が薄まってしまったように思います。

 というか、個人的に『りゅうおうのおしごと!』だと好きな二人なので、その二人がメインの話! と期待していただけに肩透かし感が半端ないですね。作風……作風だからシカタナイネ。

 

 本当に個人的な意見ではありますが、一巻の内容がこれだったらシリーズ購入しなかったなと思います。まあ、どの作品でも読みきりの番外編はギャグ次元になるので、それに本編が偶然飲まれてしまっただけだと思いますが……。

 

 第二部(6巻からの展開)の主人公一門以外による視点……という流れは継いでいるものの、6巻、7巻とは方向性が随分と違った8巻でしたが、9巻からはまた“将棋の神様”もしくは”将棋星人”の影がちらつく展開になるのでしょうか? こういう「話めっちゃ逸れたけど大丈夫?」的な心配が過るからこそ、番外編に順当な番号を振るべきではないと思うのですが(笑)

 

 次は早くも9巻ですね。どんな内容なのか楽しみです。

 

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 FGOでは夏の福袋(クラス:エクストラ)を購入し、アビゲイルを引き当てました。

 昨年末に噛み付かれたFGOヤクザのアイコンがアビゲイルだったので、アビゲイルにまで苦手意識を持っていましたが、育成してみるとそんな下らないものは関係なくなりますね。サモンナイト5~のキャラデザを担当されているイラストレーターさんが同じく担当されているのですが、流石の可愛さです。

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 「銀の鍵」の力で出現する無数の触手。B宝具ということもあり、結構なダメージが出せるので、今後バーサーカーを敵に回す高難度クエストがあれば積極的に連れて行きたいです。

 

 クトゥルフ神話TRPGをやろうと思ってルルブを購入したのですが、時間が無くてできないですね(笑) そのTRPG上では「銀の鍵」が登場したら「あっ(察し)」となるレベルの強力――もとい凶悪アイテム(7割くらい悪い意味で)なので、FGOで門を開きまくっているのを見ると、ちょっと地球大丈夫ー!? って思います(笑)

 

 水着イベントの告知が来ましたね。配布がなんと邪ンヌと、大盤振る舞いです。ある程度配布も豪華にしないと、イベントへの参加率が下がり、結果収益が減ってしまうでしょうから、商業戦略としては妥当なのかも? 実際、自分も邪ンヌなら参加するでしょうし、そのついでにガチャも回すでしょうし……D.W.の思うツボなのでしょうね(笑)

読んだ本の紹介とか その9

 丸一日が休みだと時間がたくさんありますね。日頃、働き通しなだけにやや持て余し気味……。これから先の暫くは外に出るのもおっくうな暑さに見舞われるため、尚更ですね。

 新たに一冊読みましたので、更新しようと思います。

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 『Zの時間』です。

 最初、『すべてはFになる』や『Nのために』の仲間か!? とか思ってしまいました(笑) それらとは無関係なライトノベル。作者曰く「ゾンビものが書きたい」だそうです。

 帯の売り文句がハードルを引き上げてくれますね。

 

 大雑把な作品の説明を。

 ゾンビ好きな高校生「樹堂 乙羽」(じゅどう おとわ)がニュースを見ると、アメリカのCDCアメリカ疾病予防管理センター)で異常が発生したとの報道が……。

 作中時間は進み、VRFPSに勤しむ引き籠り「出庭 博明」(でわ ひろあき)が、近頃腐敗した食事を配膳してくる家族に文句を言おうと部屋を出ると、既に世界はゾンビ塗れになっていました。

――という導入(大幅にカット)で作品が始まります。ゾンビものですが、流石に“ゾンビを見て一驚一憂するなんてベタなことはせず、むしろ“ゾンビ映画のお約束”を踏まえてメタ的にゾンビを対処していきます。“お約束”がどんなものなのかは明記されていませんが、『ゾンビランド』に登場する「32のルール」が用いられているのではないかと思います。

 

 自分はまた勘違いをしていまして、これはシリーズ刊行ではなく読みきりだと思っていて「残りページで話が終わるのか!?」とか思ったのですが、シリーズものでした(笑)

 一巻は丸々導入でした。これを購入した際に帯がついていたのですが、そこに書かれていることを物凄く丁寧に説明と実践したものが、そのまま一巻の内容。まあ、連載もののゾンビ作品は主人公たちが準備を整えるまでがプロローグのようなものなので、二巻以降に物語が展開されるのでしょうね。

 現に、今後の展開の鍵となってきそうな条件、登場キャラが散見されました。

 

 ここからは考察。前回ので反省したので、今回は手短に。

 まず『Zの時間』の「Z」ってなんだよ? ということについて、普通に考えればゾンビだと思います。ですが、他にも色々ありそうでした。

 作中登場する「古茶花 篠」(こさはな しの)というキャラクターのHN「ジーノ」は「Gino」という表記を敢えて「Zino」にしているそうで、わざわざZという表記をしていることからきっと題名と関係があるんだろうな~と。また、「樹堂乙羽」の「乙」という漢字、形が思いっきりZなので、乙=Zと読んで題名との関連を見出すことが出来そうです。

 ただ、現状では関連性を予想することこそ出来れど、その内容については全く分からないので今後の展開に期待です。

 わざわざFPS要素を入れてきて、かつそれが1巻の節々で出てきた点。「レイヴン」の謎の発言(反転)……などから、作品世界がゲームの世界である可能性(反転)あるんですよね。実際、乙羽が「今回は」等と前回もしくは次回(反転)を臭わせる発言をしているので(ただのゾンビオタクのキャラ付かもしれませんが)。主人公が二日程度状況の認識で出遅れ、かつすぐ下の階で惨劇が行われたにも関わらず無事だった点にも合点がいきます。ただ、そういう展開を用意して無事に迎えた際に滑稽にならない作品展開って物凄く難しいと思います。一体どうなっていくのでしょう……?

 

 一巻は上記の伏線らしくものを除き、人物や展開だけを見るのであれば、これという特徴のない在り来たりなゾンビ作品だと思います。ただ、シリーズものということで二巻目から勝負してくるのだと思います。

 ライトノベルは売れ行きが悪いと当たり前のように打ち切られるので、遅くても三巻までにはこの作品でやりたかった展開が始まる……はず。

読んだ本の紹介とか その8

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 仕事の合間に読書読書。早速読み終わったので、感想とか書いて行こうと思います。

 

 昨日はキャラデザと名前、能力だけで展開を予想したりしていましたが、一つ大きな勘違いをしていました。自分はてっきり「狼」というのは殺人鬼の比喩だと思って、人狼的なものを想像していたのですが、蓋を開けてみればそのまま「狼」が襲ってくるというものでした。なので、人狼ゲームというよりは『ホームアローン』シリーズのような、拠点に侵入してくる外敵を排除する防衛戦――タワーディフェンスノベルとでも言うべき形で進行していきます。

 それと、「裏切り者」という単語に推理モノ的な意味合いを期待したのですが、作者のあとがきを見る限りでは「怪物に追いかけられる」というホラー色を足した『あかずきん』だそうです。メルヒェンホラーとでも言うべきでしょうか……? ただ、個人的には怪物が「狼」という良く知った形を取っていること、リアリティを追及したためか弱点が存在してしまうこと、知能が高いがために意思疎通を可能にしてしまったこと……この辺りのために恐怖という感情は全く抱きませんでした。

 

 謎解き、ギミック等については「裏切り者は誰か?」が主となると思うのですが、「狼」が目立ち過ぎて正直「裏切り者どうでもよくね?」と思ったり……。ホームアローンしながら物語が進むために、推理よりも主人公たちの奮闘を見る機会の方が多めでした。

 

 キャラクターについて。扉絵で見た印象と実際が違うことがちらほら。特性をまとめてみると以下の通りでした。

バラ:年相応の少女。状況判断が早く常識的(?) <秘薬>付着させた対象の臭いを消失させる(乾燥や水に弱い)

紅茶:口数が少なく淡々としている。 <秘薬>付着させた対象を透過する(無機物限定。加えて乾燥に弱い)

リンゴ:最も思慮深く博識、穏やかで母性的 <秘薬>食した対象を動物に変化させる(感覚器や知能まで変化させる。効果は1時間)

ザクロ:気は強いけどすぐヘタれる。なんとびっくり赤子連れ <秘薬>液体に接触した無機物を粉砕する(少量でも大規模な破壊を招く)

チューリップ:ドジっ娘。頭のネジが一本飛んでいる <秘薬>自然発火する軟膏(炎はすぐに消える)

ツバキ:含みのある言動を行う狂気の娘 <秘薬>一肌程度の温度で凝固し、高音で融解する液体(凝固時には1tの重圧にも耐える)

 こうして並べてみると、特にチューリップ、ツバキの性格は違いました。また、ザクロが子連れというのも意外。

 扉絵の次のページに普通に登場人物一覧として性格等が書かれていました^p^

 

内容に言及したいため、ここからはネタバレ要素を含む感想です。要反転ということで。ご了承を……。

 「ジェヴォーダンの獣」について。

その1:嗅覚が無い、視覚が弱い点(狼は動かないものを認識しづらい)

 作中時間内での去年、地下壕に水を流し込んで「赤ずきん」を溺死させ、その死体まで食べた……ということですが、流水によって「臭いを消し、狼のみ認識できる赤色に染める秘薬」の効果が失われた死体をどうやって認識できたのか?

 ……まあ、死体が浮上する箇所を予想して、回収したとも考えられますが。

 

その2:「動物に変身させる秘薬」の効果(以下:リンゴと呼称)

 実在の動物に適応しているようですが、なら「名もなき赤ずきん」を「ジェヴォーダンの獣」へ変身させたリンゴってそもそも何の動物に対応していたの?

 幻想動物がありならドラゴンとかもっと強そうなのがいてそうですし、絶滅種もありなら恐竜やサーベルタイガー等が優先されそう……。ということから、元となった動物そのものはオオカミだと思います。ただ、“筋力を増強する秘薬”とか“皮膚を硬化させる秘薬”といったものがあったと仮定し、それらで「ジェヴォーダンの獣」という怪物を生み出したのではないかと考察していますが、どうなんでしょう? バフてんこ盛り!

 「裏切り者」が「ジェヴォーダンの獣」の型落ち程度の狼に変身していたことから、普通のオオカミではない“オオカミに似た怪物”のリンゴがあったのかもしれませんが。この場合現在の「ジェヴォーダンの獣」が寿命で死去した後にも別の「ジェヴォーダンの獣」を用意できるため、筋は通ります。また、リンゴずきんがリンゴの刻印をすり替えていたことに気付かなかった点にも筋が通ります(ヘビとナマズのあれ)

 

 「秘薬の製作者の血が多く混ざると、秘薬は効力を失う」という設定は、「ジェヴォーダンの獣」が「赤ずきん」を捕食する最大の理由だと思うのですが、この設定のため“何故リンゴずきんを捕食した「ジェヴォーダンの獣」は元の姿に戻らなかったのか?”という疑問が浮上します。

 一:効果時間が長すぎて復帰に時間が掛かった→作中の「ジェヴォーダンの獣」は徐々に弱体化していた可能性を持ち、一番納得できる。

 二:リンゴずきんの血液の成分が「秘薬」により変化した→「名もなき赤ずきん」に与えたリンゴを作成した当時が“若返り前”なら、血液成分が変化していても不思議じゃないかも?

 三:秘薬の効果を任意時間延長する秘薬の効果→紅い月で薄まっている時点でないと思いますが、一応。秘薬の原則まで破壊できるなら最強なんですけどね。

 

「裏切り者」の持つ秘薬たちについて(あと、「ジェヴォーダンの獣」は以後:ケモノ。「裏切り者」→魔女。匂い消しの秘薬→香水)

その1:「臭いを消し、狼にのみ認識できる赤色に染める秘薬」

 ケモノの驚異的な補足能力のギミック。疑わしい要素がこれしかなくて、消去法で分かってしまう点が惜しいと思いましたが、同時になるほどと思ったもの。

 これの効果について、ちょっと曖昧な部分が残りました。まず「秘薬の効果を延長する秘薬」によってどの程度延長されるのか? という点。例えばリンゴであれば明確に“一時間”とあるため想像しやすいですが、“乾燥と流失”によって効果が失われる香水はどうなるのでしょう? 「数か月前に別の土地に逃げた赤ずきんが補足された」ことからそうした物理的な効力の喪失にも作用できると見るべきでしょうか。ただ、出発する前の赤ずきんに「お守り」として香水を振りかけるのは分かるのですが、その後「効果延長の秘薬」を使用するのはタイミング的に難しいような。

 余談ですが、チューリップが香水をばら撒いた畑にも間違いなくケモノは立ち寄ったと思うのですが、一体どういう風に映ったのでしょうかね(笑)

 

その2:真実を語る秘薬

 最初からこれを「従者」に使って、裏切るかどうかを確認しておけば最後の結末になる前に裏切りが発覚したのではないでしょうか。または、在庫切れだったとか?

 

その3:予言の秘薬

 これも使っておけばいいのに、というもの。取引の交渉材料にしたことから在庫切れということはないと思うのですが……嘘をついている可能性は否定できませんね。あと5人を殺すために使うというのに躊躇したのかもしれません。エリクサー症候群。

 

 ネタバレ終了です。

 この手法、スマホが登場した最近だと反転というものがないので、面倒臭かったりするんですよね。スマホで閲覧されている方には申し訳ないです><

 

 色々な都市伝説(「ジェヴォーダンの獣」やエリザベート・バートリ)、童話(『三匹の子豚』や『赤ずきん』)などがモデルになっていますが、いくつかは物語の核心に迫りかねないレベルで引用しているため、そういうオカルトチックなものが好きな人だと確信を得るのが早いと思います。

 

 以上、『六人の赤ずきんは今夜食べられる』でした。

 推理モノとして期待していたため物足りなさは感じましたが、メルヘンタワーディフェンスとしてはアリなのではないでしょうか? 題材の割にゴア、シリアス要素は薄目なので読みやすいと思います。

 調べてみたら「小説家になろう」という投稿サイト発の作品のようですね。偏見込みですが、あそこのユーザー層を考えるとこのくらいの謎解きとエンディングで丁度いいのかもしれません。

 お手軽なパズル感覚――ということで読むのであればライトに楽しめるノベルだと思います。

 

 個人的に勿体無いなと思ったのは、作者から作品に対する愛のようなものがあまり感じられなかったこと。以前に紹介した『図書迷宮』であれば、作者の作品愛をひしひしと感じられたのですが、今回のものはそのあたりがやや希薄。書きたいもの(思想や言葉、世界観など)を書いたのではなく、思い付いた面白そうなストーリーを書いた……という感じ。書籍化にあたりかなり改稿されたようなので、その過程でアマチュアプロらしい“書きたいものを書く”という熱量が削がれてしまったのかもしれませんが……。

 もっとも、出版社の指示かどうかは分かりませんが、「このキャラはお気に入りなのかな?」というものは存在しましたが。

 

 先日色々とノベルを買い込んだので、暇を見つけては読んで行きたいと思います。次は謎解きとかなさそうな、ストーリー一本勝負なやつを読もうと思います。

読んだ本の紹介とか その7

 いまの仕事は拘束時間こそ長いですが、本を読んだりする時間は意外と多いので、読書読書! ということで読んだ本の紹介とか、していこうと思います。

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 『ひきこもりの弟だった』(著者:葦舟ナツ)

 購入自体は一年以上前だったのですが、ずっと積み本として本棚で眠っていました。読書の時間はあるので、一つ硬派な作品でも読んでみようと手に取った次第です。

 大まかな設定は題名のまま、引き籠りの兄を持つ主人公のお話です。引き籠りの兄と、それを過剰に保護する母親に対して諦観し”家族愛“が歪んでしまった主人公と、同じく歪んだ家族愛を持った「千草」とが結婚するところから始まります。

 「千草」の背景については物語の中で進行していくため、ここでは割愛。

 

 裏表紙でも「愛の物語」的なことが書かれていますが、基本的には家族愛について書かれています。もっとも、その家族愛の中身が“夫婦愛”なのか“兄弟愛”なのか、“親子愛”なのか、“自己愛”なのか、または全てなのか……。そこは個人の解釈に依存すると思いますが、自分は自己愛について書かれていると読みました。

 帯には「これを読んで何も感じなかったら幸せな人生」的なことが書かれていましたが、確かにその通りなのかもしれません。まあ、特別ヘビーな作品というわけでもないので、結構月並みな悩みがあれば読めるとは思いますが。

 実生活の中で疲労して、「幸せな自分が全く想像できない」という状態の人には是非お勧めしたいと思います。上記の通り家族愛……こと自己愛から転じて“他人を愛する自分を愛せるか?”、“自分を愛する他人を愛せるか?”みたいなことが書かれているので、一度自身の幸せについて考えるいいキッカケになるのではないでしょうか。

 

 いま、こうして頭の中を整理していると、この作品の登場人物って基本的に誰も幸せじゃないんですよね。人と人における幸せのカタチのすれ違いっていうのもあるかもしれません。

 

 ラストの展開については、ちょっとネタバレになると思いますが、自分でも忘れてしまいそうなのでメモ程度に自己解釈を書こうと思います。

 「こんなにも愛おしい」「千草」が愛してくれた自分を愛せるようになった。ここで自己愛と自己肯定を満たす課題であった“他人を愛する自分を愛せる”ようになり、それを達成したことで“自分を愛する他人を愛せる”ようになった結果のラストなのかなと思います。

 

 最近はラノベばかりを読んでいたため、久しぶりに風景描写に行数を割く文章を読んだ気がします。ただ、純文学に連なる小説かと言われると首をかしげたいところ。文学が学問足る要員は人の心理描写に見出す芸術的価値……だったと思うのですが、『ひきこもりの弟だった』はその観点で言えば心理描写がやや浅く、受動的に書かれている点が目立ちます。独白というか……一人で思考するという機会が少ないです。

――と偉そうに語ったものの、歪んでしまった愛が、同じ歪んだ愛によって解きほぐされていく過程は(上記の通り心理描写の不足から段飛ばし気味だったとは思うものの)綺麗だと思いましたし、最後の参拝~旅館(?)の部分は特にこの作品の美しさが詰まっていると感じます。

 

 ライトな気持ちで読むには題材、文章ともにヘビーですが、現実に疲れて自分を見つめたい際には一度手に取られてはいかがでしょうか?

 

 いまは『六人の赤ずきんは今夜食べられる』というラノベを購入し、それを読もうと思っています。

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 題名と「この中に裏切り者がいる。」っていう帯文を見て購入したのですが、食べるってちゃんとカニバリズムの方ですよね?

 まだ見開きについているイラストを見ただけなのですが、能力系なんですね。こういう人狼ゲームのパターンは、人が頭と疑心だけで勝負する系が主流だと思っていましたが。

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 仲間外れを探せ! ってだけなら、明らかに「紅茶ずきん」が浮いているんですよね。むしろ浮き過ぎて逆にシロだわ! ってレベルです。実際ミスリードでしょうね。植物を煎じて飲む……という紅茶の過程から、或いは狼の協力者という線はあるかもしれませんが。人狼で言えば狂信者(?)

 能力的な相関図でいえば「リンゴずきん」だけ水気(湿度や温度)に無関係な、しかも食事系の秘薬。仲間外れと食事というワードから狼かも? と思いますが、これもちょっとわかりやす過ぎる気も……。あと、秘薬って時点で他人への譲渡または窃盗が可能ではありますが、「リンゴずきん」はその中でも特に他人への譲渡が容易な点から、物語のキーパーソンにはなりそうですね。

 「紅茶ずきん」と「ザクロずきん」は能力が類似しているので、先程の「紅茶ずきん」が協力者という推測に基くなら「ザクロずきん」が人狼の可能性……? 「透明化」と「粉々にする」って、どちらも見えなくする能力ですからね。

 「ツバキずきん」の能力がいまいち想像し辛いのですが、刃物になったり鎧になったりって感じでしょうか? 凶器を任意に回収できる点を考慮すると、人狼とは別に、恐慌状態に陥って攻撃してくる的な悶着がありそうですね。

 「そして誰もいなくなった」的な、箱庭での殺戮劇でお馴染み“死んだと思っていたヤツが実は生きていた”を一番できそうなのは「バラずきん」ですね。能力もいい具合に地味なので、案外人狼だったり……?

 「チューリップずきん」はシロでしょう。能力が目立ちすぎますし、かつ「ツバキずきん」へ有利なことを考えると4番目くらいに死にそう。3番目はツバキだ!(投げ槍)

 

 ……とか、読む前から犯人推理をしてみたくなる悪癖が。「ザクロずきん」と「バラずきん」にヤマを張って読んでみようと思います。7人目の登場人物とか絶対あるやつだこれ(ゲロカス)

 登場人物が“完璧な検死”を実践してくれれば「バラずきん」がクロって線は無くなるんですけどね~。