物理法則を知らない。

デュエルポケットモンスターマスターズ

読んだ本の紹介とか その12

 先日鳥取に行ってきました。山陰地方って雪深い印象があったんですけれど、2月末に加えて偶然温暖だったこともあり、日中は上着すらいらないほどの散歩日和でした。

 

 こんにちは。FGOはキングプロテアが実装されたようですが、自分のデータには反映されていなかったようです。ここしばらく新規サーヴァントを引いていませんね……。そんなに回していないのもありますが、それでも既存☆4が一人だけというのは悲しいものです。

 映画「heaven's feel」は一気に物語が進みましたね。戦闘シーンについては流石のufo、圧倒されるような大迫力でした。来年の3月頃に最終章が公開されるそうなので、今から期待が膨らみます。

 

 久しぶりの読書感想コーナーということで、最新作というわけではありませんが読了したものをご紹介しようと思います。

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『乃木若葉は勇者である』の上下巻です。上下巻と言っても分量にして通常の文庫一冊あるかないかくらいかな? と思います。

 これは「勇者である」シリーズの創世記を書いた作品で、アニメ「結城友奈は勇者である-結城友奈の章-」「結城友奈は勇者である-勇者の章-」と比べるとダークな雰囲気となっています。著者曰く「災害モノとしての側面もある」だそうです。(※災害モノ:甚大な災害が起こった際を想定して書かれる作品。未曾有の脅威を前にした人の心理について書かれることが多い<例:東京マグニチュード8.0swan song、など>)

 

 まず「勇者である」シリーズの共通点として

:人類は「天の神」を敵に回していて、その尖兵である「バーテックス」が主な敵キャラとなる。

:人類は殆ど全てが殲滅されている。

:「天の神」に対して「土地神」が人類の味方に付いていて、四国は「神樹」と呼ばれる複合神性が展開した大規模な結界によって「バーテックス」から人類を守っている。

:人類は「神樹」の力を宿した特定の人間達を「勇者」と呼称し、起死回生の切り札として重宝している。

 くらいでしょうか。

 「乃木若葉は勇者である」では人類が「天の神」によって侵略される過程を書いた作品です。アニメ「結城友奈は勇者である」では神世紀という年号が使われていましたが、当作品では主に2018年、2019年が戦いの舞台となっています。

 

 感想(以下ネタバレ有)

 「結城友奈は勇者である」(以下:ゆゆゆ)に繋がる作品だけあって、絶望しかないですね。覆しようのない決定的な敗北へ向けて少女たちが奮闘する……というのは流石に意地が悪いですけれど、実際それくらい救いがありません。ですがもしも少女たちの奮闘がなければ人類と「土地神」はとっくに絶滅していたので、無意味ではないんです。ただ、救いがない……。

 登場キャラクター達については、「勇者」という大役を担っているものの等身大の少女らしさが書かれていて、特に「郡千景」などはその面を強く感じました。純粋で多感だからこそ人の善性にも悪性にも左右されやすく、著者の言う“災害モノ”として死んだキャラクターが「千景」だったのではないでしょうか。

 そうした描写があった故に「乃木若葉」と「高嶋友奈」の二人が最高にカッコよく映ります。「若葉」は鋼のように強靭な精神力で、「友奈」は炎のような熱い想いで、それぞれ人の弱さを突破して、それぞれのラストシーンへと繋がりました。個人的には特に「友奈」が「私は……高嶋友奈は、みんなが大好きだ――――!!」と大絶叫するシーンが好きですね。書いていてまた涙が……。

 最初の犠牲者である「土居球子」「伊予島杏」の死亡シーンは、これまで辛くも防衛に成功していた人類に「勇者」の死という絶望を与えるに足る凄惨な死に方でしたね。「球子」の盾が徐々に壊され、脳震盪を起こし足が潰れ内臓が壊れ筋肉が千切れていく中で、最後は守っていた「杏」ごと盾を貫通されて死亡。しかも毒によって全身から血を噴き出して……って、読んでいた当時からエグいなあと思いましたが、書き直すとやっぱりとんでもないですね。「千景」が精神的な悲劇を演出したのに対し、「球子」「杏」は肉体的な悲劇を担当したのでしょうか。“盾が壊される”という演出も絶望パートの幕開けを告げるようで、皮肉的です。

 

 ラストバトルが終わって、人類が敗北を受け入れ降伏――“国譲り”神話の再現によって「天の神」に赦しを乞うことで終戦するわけですが、その後のシーンはキャラへの愛着が強ければ強いほどに悲壮が伝わってくるようでした。

 このパートからは「ゆゆゆ」に繋がる「大赦」の形成だとか「勇者システム」の強化だとかについて書かれていて、アニメではクソオブクソな組織だった「大赦」も、元々はこういう感じで作られたのかーと感慨深さがありました。

 

 「ゆゆゆ」では「バーテックス」を当たり前のように一撃で倒したり、逆に「バーテックス」からの攻撃を全てバリアで無効化したりしていましたけれど、「乃木若葉は勇者である」を読むと、それがどれほどの努力の末に辿り着いたものなのか、気が遠くなる話ですね。

 一応、完全体「バーテックス」70体以上を“たった一人”で殲滅した勇者もいるわけで、本当に「勇者システム」は強化されたんだなあと。ちなみに同じ数を「乃木若葉は勇者である」に投入すると、あの世界を無限に滅ぼせます。

 

 久しぶりにこのコンテンツに触れましたが、やはり面白いですね。自分の好きな神話と関連性が強いというのも良いです。

 ソーシャルゲームの方もあるので、そちらも久しぶりにやっていきたいですね。